2020年8月14日、Epic Gamesの人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』が、AppleのiPhoneやiPadなどのiOSデバイス向けストア“App Store”からガイドライン違反を理由に削除された。(2020年8月14日午前8時追記:Android向けのGoogle Playからも削除されたのを確認した)
この措置は具体的に、同ゲームがApp Storeを介さない独自の課金システム“EPIC ディレクトペイメント”を実装・App Storeより安い割引価格で運用開始したことを対象にしたもので、Epic Gamesは削除を受けて即座にAppleを相手取った訴状を公表。さらにAppleの有名なCM“1984”をパロディにした映像をYouTubeやゲーム内で公開した。
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— フォートナイト (@FortniteJP)
2020-08-14 00:50:26
Epic Games has filed legal papers in response to Apple, read more here: https://t.co/c4sgvxQUvb
— Fortnite (@FortniteGame)
2020-08-14 04:33:55
つまりEpic Gamesは明らかにAppleから相応の処分が来るのを予期してすべて準備していたわけだが、なぜこんなことを仕掛けたのかご説明しよう。
争点となっているのは、いわゆる“プラットフォーム税”。つまりAppleのようなプラットフォーム事業者側がソフトやサービスの売り上げから利用料として自動的に徴収する30%の取り分の妥当性だ。この30%という数字は一種の業界スタンダードともなっていて、Apple以外でもプラットフォーム事業者側の取り分として採用されているのは珍しくない。
Epic Gamesは今回の件以前から一貫して「これは多すぎるのではないか」と疑問を呈しており、2018年末には同様に30%の取り分で運営しているPCゲームストアのSteamに対抗するように、“88対12”(Epic Gamesの取り分が12%)の利益配分率でEpic Gamesストアをサービス開始している。
というわけでそもそもEpic Gamesが発端となる独自の課金システムを用意したのは、30%からプラットフォーム事業者の取り分が下がればより安く課金要素を提供することもできる事を示すためだったのだ(公式記事にも「Epic ディレクトペイメントの使用を選択すると、Epicが支払い処理の値下げ分をお客様に還元するため、最大20%の割引となります」とそれとなく示唆されている)。
ついでなので、なぜここで“1984”のCMが出てくるのかも説明しておこう。ジョージ・オーウェルの『1984年』をモチーフにリドリー・スコット監督により撮られたこのCMは、当時のコンピューター業界で支配的立場にあったIBMに対してAppleが自由なパーソナルコンピューター市場を切り拓く革命児として描かれており、映像自体にはIBMのことは触れられていないものの、故スティーブ・ジョブズによる映像公開時のスピーチでも、IBMが標的であることははっきりと示されていた。
今回公開されたAppleに対しての訴状でもこの点について触れられており、今やAppleこそが支配的立場によって反競争的な関係を開発者に強いている“ビッグ・ブラザー”(『1984年』に出てくる独裁者)ではないか、という論調になっている。
『フォートナイト』の世界的な人気を武器に利益配分率の是正を狙っているEpic Gamesの目論見は成功するのか、iOSデバイスで再び『フォートナイト』を遊べる日は来るのか、そして他プラットフォームにはどう影響するのかなど、なんとも気になる所だ。
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiMWh0dHBzOi8vd3d3LmZhbWl0c3UuY29tL25ld3MvMjAyMDA4LzE0MjA0MDQxLmh0bWzSATRodHRwczovL3d3dy5mYW1pdHN1LmNvbS9uZXdzL2FtcC8yMDIwMDgvMTQyMDQwNDEucGhw?oc=5
2020-08-13 21:30:00Z
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