買いやすさと使いやすさが、やべぇ。
VR(バーチャル・リアリティ)に関心がある人なら、さいきん気になる例のガジェットがありますよね。そう、「Oculus Quest 2(オキュラス クエスト 2)」です。僕も大注目しています。そのために給付金をタンスにしまっております。
初代「Oculus Quest」は2019年5月に発売されました。PCへの接続が不要なワイヤレス&オールインワンのVRヘッドセットでありながら、6DoF(頭の上下左右前後の動き)を検知するという、魔法のような体験に驚いたものです。PCと接続できる機能(Oculus Link)も、その後に追加されましたしね。
その後継機となるのが、近々登場する「Oculus Quest 2」。性能も大幅アップしてるんだろうなー、オールインワンで色んなゲームをサクサク楽しめるんだろうなーと、本当に楽しみにしてるんですよ。発売まだかなー。
と思ってたらですよ。
なんか編集部にあるんだがー!?
なるほど、発売前に開けて触って堪能して、「Oculus Quest 2」の素晴らしさを世に知らしめよということですね? そのミッション、やらいでか! ええい早速アンボックスだー!
より洗練され、ムダを削ぎ落としたつくりに
さーて開けていきますよ。こんなストレートにアンボックスするの久しぶりですねー。ワクワクワクの助。
パカっと。白いVRヘッドセット本体にOculus Touchコントローラーが2個、確認できます。
まずコントローラーの感触から。ふむ…なるほど…。軽い、持ちやすい、スベスベして気持ち良い。グッドなコントローラーですよこれは。
たしか初代「Oculus Quest」では、コントローラーの電池カバー部分ってマグネットで固定されていましたが、「Oculus Quest 2」はプラスチックのフックになっています。初代は電池交換時にカバーを外すのが楽ではありましたが、プレイがヒートアップするとうっかりズレるケースがたまにあったり。この改良でその心配は減りましたね。
あと、地味ながらボタンの横に親指を置いておけるスペースが新設されており、ボタンを間違えて押しにくくなっています。気配りー!
ヘッドセットも見ていきましょうか。お、ヘッドセットを頭に固定するためのストラップが、ほぼ全てゴムバンドになってます。
初代「Oculus Quest」のストラップはプラスチックのバンドとファブリックの複合で、かなり大ぶりなシルエットでした。「Oculus Quest 2」は、頭頂部も側頭部もファブリックにしてベルクロで固定するかたちに。これ、重量カットにかなり貢献してそうな予感です。
では、VRヘッドセットを買って一番楽しい瞬間、もとい初めての装着とチュートリアルを行なっていきましょうか。いざ、装着ッ!
……の前に、テーブルどけますか、よいせっと。では改めて。
装着ッ! お、ストラップの固定感、意外と強い。側頭部を覆うゴムバンドの強さを調節することで、かなりガッチリとした固定感が得られます。一方で頭頂部のバンドは、調節するためにベルクロの着け外しが必要ですね。家族や友達と使いまわすためにこまめに調節するつもりなら、ここはダイヤル式で楽に調整できるオプション「Quest 2 Eliteストラップ」を導入するのが吉。
言語設定やらスマホアプリとの連携やらを設定したら、ガーディアンの設定に。ガーディアンとは、壁や家具にぶつからないよう作成する仮想的なプレイエリアのこと。このとき、「Oculus Quest 2」内蔵のカメラから現実の世界がモノクロで表示されます。これが楽しいんですよね。
コントローラーを床面に向けて、プレイエリア(動き回る範囲)の境界線を引いていきます。床に落書きしてるみたいでもう楽しい。また、ヘッドセット本体の側面をポンポンと二度タップすると、いつでも現実世界を表示できます。暗視ゴーグル感があってこれも楽しい。
ガーディアン設定が終われば設定は完了。ホーム画面が表示され、いよいよリズムゲーム『Beat Saber』や銃撃戦ゲーム『Superhot』をプレイできるようになります。ようこそ、ケーブルから開放されたVRの世界へ!
300秒で飛び込める、VRの世界
で、実はアンボックスとは別に、箱を開けてから設定が完了するまでの時間を測ってみたんです。「Oculus Quest 2」を箱から取り出す→机をどける→設定を終わらせてホーム画面にいく。この一連の初期設定、300秒(=5分)かかりませんでした。はっっっや!
「Oculus Quest 2」が手元に届いて5分で、これだけ動けて遊べちゃうってことですからね。スマホやタブレットの初期設定より簡単かもしれない。ケーブル不要、アカウントはFacebookのものを使うからアカウント作ったりの面倒さもない。VRはここまで手軽になれたんだなぁと、VRにケーブルが必須だったころからすると隔世の感ですよもう。
いくつかゲームをプレイしてみて、モノの良さもわかってきました。個人的に、ゴムバンドによる装着感が動き回るゲームをプレイした時にどう影響してくるか、気になってたんです。
このズレに関しては、クッションが良い仕事してくれました。「Oculus Quest 2」はところどころコストの工夫が見えるんですが、目の周囲に当たるクッションのフカフカさは妥協していません。ここをケチるとプレイ中にヘッドセットがズレたり痛く感じてきたりするんですよねー。
また、内蔵スピーカーも良い感じ。両サイドのバンドがくっついてある部分にスピーカーが仕込まれていて、定位の精度も良く、ちゃんと左右や背後から声が感じられます。
いやー、ウワサされていたスペックを見たときから期待してましたけど、本当に良い仕上がりになってます。初代「Oculus Quest」や「Oculus Go」で培った経験を余すところなく活かした、完成されたオールインワンVRマシンという印象です。これが一家に1台にあれば、どれだけ楽しいことか……。
一般家庭でも、これだけ楽しめます
さっきは編集部の広いスペースでプレイしてみましたが、一般的なご家庭ならどうでしょう。「VRをプレイできるほど充分な広さがあるか不安」という理由で、VRに手を出しにくい人もいますよね。わかります、とてもわかります。
なので、我が家のリビングでセッティングしてみました。普段置いてあるテーブルをどけると、ギリ2m×2mの広さが確保できたので、この状態でガーディアンを設定します。果たして、充分に遊ぶことはできるか……。
うん、完全に大丈夫でした。『Beat Saber』のように振り返ったりしないゲームであれば、もすこし狭いスペースでも大丈夫かも。モノが多くて手を振り回す場所が確保できない人でも、「Oculus Quest 2」自体が持ち運びも苦じゃないサイズ感なので、広い場所に持ち出して使うのも簡単です。もちろん、座ってプレイできるゲームもありますよ。
アプリを使えばこうしてミラーリングもできるので、友達と一緒に遊んでいても退屈しません。ちなみに、Chromecast内蔵のテレビであれば、テレビに直接ミラーリングもできました。VRゲームって周りの人から画面が見えないから「何してるのかわかんない」状態ですけど、ミラーリングで映像が見えるとギャラリーも楽しくなるんですよね。
あと、オプションの「Oculus Linkケーブル」でPCと接続すれば、SteamVRなどのパワフルなPC用VRコンテンツにアクセスできます。それなりのPCスペックは求められますが、『VRChat』や「cluster」など、VRでコミュケーションを楽しんでみたい人にはオススメの使い方ですよ〜。
「それ正解」なコスパのバランス
スペックで「Oculus Quest 2」を見ると、SoCにQualcomm® Snapdragon™ XR2、RAMは初代Questから50%アップの6GB、ストレージは64GB or 256GB、改良されたLCDディスプレイ(およそ2K)といった具合。初代QuestはSoCにスマホ向けのSnapdragon 835を使っていましたが、Quest2のSnapdragon™ XR2はVR機器向けのチップ。その処理パワーは大幅にアップしています。
一方で、ヘッドセットを支えるストラップをプラスチックからゴムバンドにしたり、コントローラーの電池カバーの構造をシンプルなものに変えたりと、ハード的に抜く部分は抜いている。こうした、コストの取捨選択が非常に上手いなと感じました。ゴムストラップにいたっては軽量化も果たして一石二鳥感すらあり。
だからこそ実現できたであろう、驚くべき価格設定。64GBモデルが3万3800円、256GBモデルが4万4800円です(税抜)。リークを見たときは「5万円いかないくらいならうれしいなー」と予想していたんですけど、ま・さ・か4万いかないモデルがあるなんて…。ほんっとに驚いてます。給付金めっちゃ余るんですけど。
発売日は2020年10月13日(火)。性能だけでなく買いやすさも進化させてきたのが「Oculus Quest 2」のスゴイところですよ。間違いなくVRデビューに相応しい1台ですし、今の時代なら自宅にいながらあらゆる場所に飛び立てる、最高のおうちガジェットです。
Source: Oculus
Photo: 小原啓樹
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2020-09-25 08:00:00Z
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