Jumat, 12 Maret 2021

若いティラノサウルス、バリバリ噛めなかったらしい(成体ほどは) - ギズモード・ジャパン

地上最強の恐竜も、華奢な時代を経ていた。

ティラノサウルスは文字通り骨をも砕く、大型の肉食恐竜です。でも新たな研究で成長途上のティラノサウルスの骨格を分析したところ、その噛む力は成体に比べてだいぶ弱かったらしいことがわかりました。

ティラノサウルスは中生代を象徴する頂点捕食者で、もし今も生きてたらどうしよう…と思うくらい鋭い歯、そして大きく強いあごを持っていました。ライオンが獲物を噛む力は1,300ニュートンとまあまあなんですが、ティラノサウルスはあごがもっと大きく、6万ニュートンで他の恐竜を噛み砕いていました。

若いときは細かった、ティラノサウルスのあご

成体のティラノサウルスはあらゆる動物の中でも最強レベルの咬合力を有していたと推定されていて、先行研究では自動車を砕くのに十分な力があったとされています。

この研究を手がけたブリストル大学博士課程学生のAndre Rowe氏は言います。

ティラノサウルスの巨大な体格と巨大な筋肉は、彼らの強烈な咬合力のキーになっていましたが、その形にも大きな意味があります。というのは、若い個体はあごが細く、そんな強烈な咬合の圧力に耐えられなかったであろうことがわかったのです。

Rowe氏の論文は先日、学術誌「Anatomical Record」に掲載されました。この論文は、若いティラノサウルスが成体とは驚くほど違っていたこと、そして成体とは違う生態系内のニッチを占めて(おそらく独占して)いたことの証拠を示しています。

新たな研究のポイントは、ティラノサウルスの捕食技術の成長による変化を明らかにすることにあります。先行研究では、若いティラノサウルスのあごが細長く、それが成長とともに大きくなっていったことがわかってます。Rowe氏たちは「その変化の機能的な意味の大きさを検証したかった」と言います。

3Dモデルであごにかかる力を分析

彼らはティラノサウルス全身の骨格をCTスキャンしたものと、推定される筋肉の大きさや形、配置に基づき、3Dの生体力学モデルを作りました。若いティラノサウルスのモデルとしては、モンゴルで発掘され、元々はラプトレックス・クリエグスティニとされていた骨格を使いました。

「この研究で主に使った手法は、硬い構造物における圧力とひずみを明らかにする、有限要素法です」とRowe氏。「損傷のリスクが高い部分は赤や白といった『熱い』色で、リスクが小さい部分は緑や青といった『冷たい』色で表示されています。」

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成体のティラノサウルスのあごにかかる力を示す図。赤い部分に強い力がかかっている。
Image: Andre Rowe

あごの後ろの筋肉がカギに

あごの長さが同じティラノサウルスで若いものと成体を比較した場合、前者のほうが強い圧力を受けていたことが実験で示されました。つまり成体になるまでに、より大きく幅広いあごが必要になるということです。この発見のカギになったのは、ティラノサウルスの下顎骨の下端にある翼状筋です。

「我々は咬合力を正確に推定するためにバーチャルな筋肉を使っていたので、捕食のときにそれぞれの筋肉がどれくらい役立っていたかを検証できました」とRowe氏。「翼状筋は、ティラノサウルスが円錐歯で強い圧力をかけていたかもしれない部分、あごの前側の圧力を減らしていたことがわかりました」

ちなみに現代のワニの場合、噛むときに一番力がかかるのはあごの後ろ側だそうですが、ティラノサウルスは前方に力がかかってたんですね。

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上左から時計回りに、成体の「Sue」(FMNH PR 2081)(Field Museum of Natural History, Chicago, IL; photo by the Field Museum)、若い「Jane」 (BMRP 2002.4.1)(Burpee Museum of Natural History; photo by A. Rowe)、成体のタルボサウルス・バタール(Dinosaurium exhibition, Prague, Czech Republic; photo by R. Holiš) 、ラプトレックス・クリエグスティニ(LH PV18) (Long Hao Institute of Geology and Paleontology, Hohhot, Inner Mongolia, China; photo by P. Sereno)(Final Image: Andre Rowe)

哺乳類も襲っていたかも

Rowe氏の論文では、若いティラノサウルスの下顎骨の形が成熟後も変わらなければ、深刻なダメージを受けたであろうことを示唆しています。でも実際には成体のティラノサウルスの下顎骨は幅広く、骨を砕くほどの強い力も吸収できていたのです。若いティラノサウルスの華奢なあごで同じことをしたら成体の3.3倍の力がかかると推定され、それでは無理があったはずです。

成体のティラノサウルスは骨を砕く咬合力で知られ、それによって肉や骨の塊も飲み込むことができました。でも若い個体はそれほどの咬合力がなく、そのため鋭く切るような噛み方をしていて、成長とともにその方法を使わなくなったのかもしれません。

とRowe氏は説明しています。

なので、若いティラノサウルスはトリケラトプスやエドモントサウルスみたいな巨大草食動物は狙わず、小型の恐竜や、もしかしたら後期白亜紀(今から6600万年ほど前)に存在していた哺乳類も捕食していたかもしれません。

成体のティラノサウルスは、やはり生態系の頂点にあり続けます。でも彼らが若いときには、ちょこまかした哺乳類を追いかける細身の動物だったと考えると、非常に興味深いものがありますね。

とRowe氏。

もはや独自の形態種?

この研究に参加していないメキシコ大学の博士課程学生、Kat Schroeder氏は、Rowe氏らの研究が彼女の最近の論文を裏付けていると言います。Schroeder氏の論文には、「若いティラノサウルスはその親とは大きく違っていて、独自の『形態種』としてふるまえるほどであり、他の中型獣脚竜を駆逐していたかもしれない」とあります。

Schroeder氏は、Rowe氏らの研究ではサンプル数が比較的小さいので「限定的」としながらも、「研究としてはきちんと」できていて、「ティラノサウルスが成長につれて狩猟スタイルを劇的に変化させていったという仮説に合致している」と評価しました。

今後に関してRowe氏は、恐竜や他の絶滅動物関連の研究や、それらの捕食スタイルの変化といった研究を見ていきたいとしました。

CTスキャンや3Dモデリング技術によって、恐竜の生態に関する素晴らしい洞察が得られました。この手法は、現生動物・絶滅動物ともに適用可能です。

とRowe氏は言っています。

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