2023年5月11日,ASUSTek Computer(以下,ASUS)は,ゲーマー向け製品ブランド「
Republic of Gamers」の携帯型ゲームPC「
ROG ALLY」を正式に発表した。7インチサイズで,解像度1920×1080ドット,最大リフレッシュレート120Hzのディスプレイや,AMDの新型APU「
Ryzen Z1」シリーズを搭載するのが見どころだ。
ROG ALLY
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搭載APUが異なる2モデルをラインナップしており,米国市場における発売時期と価格は以下のとおり。
- Ryzen Z1 Extreme搭載モデル:2023年5月11日予約開始,6月13日発売予定,699ドル
- Ryzen Z1搭載モデル:2023年第3四半期発売予定,599ドル
これまで登場した携帯型ゲームPCのほとんどが,最大リフレッシュレート60Hzのディスプレイを採用していたのに対して,ROG ALLYが120Hz表示のディスプレイを備えることは,見どころと言えよう。
ROG ALLYのディスプレイ。最大リフレッシュレートは120Hzで,AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync Premium」に対応する
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ROG ALLYのGPU性能は,Ryzen Z1 Extreme搭載モデルで8.6 TFLOPS,Z1搭載モデルで2.8 TFLOPSとなっており,高リフレッシュレートのディスプレイを生かせる場面があるということだろう。
携帯ゲーム機とROG ALLYにおけるGPU性能の比較。これに限らず,今回の製品説明では,既存の携帯型ゲーム機との比較が多く,他社の携帯型ゲームPCとの比較はほとんどなかった
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携帯ゲーム機は,1280×720ドットの解像度で20〜30fpsに留まるが,ROG ALLYでは,1920×1080ドットかつ,50〜60fpsでゲームがプレイできるというのがASUSの主張だ
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ASUS独自の外付けGPUボックス「
ROG XG Mobile」と接続できるのもポイントで,費用対効果を考慮しなければ,「GeForce RTX 4090」といったハイエンド市場向けGPUの性能も活用できる。
ROG XG Mobileと組み合わせた利用も想定する
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また,ROG ALLYに合わせて登場したACアダプタの「ROG Gaming Charger Dock」は,解像度3840×2160ドット/60Hz,または1920×1080ドット/120Hz対応のHDMI出力ポートを備えており,ROG ALLYに給電しつつ,外部ディスプレイやテレビなどに映像を出力できる。
ROG Gaming Charger Dockで,給電しながら外部ディスプレイに映像を出力できる
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ROG Gaming Charger Dockは,ROG Phoneなどのスマートフォンでも活用できそうだ
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ROG ALLYの冷却機構は,「
ROG Mothership」や,「
ROG Flow Z13」といったASUS製品で培った技術を盛り込んでおり,2基の空冷ファンやヒートパイプ,ヒートシンクで筐体内部を冷却する。
これまでのゲーマー向けPCで培った技術を投入する。このあたりは,さまざまなフォームファクタの製品を開発してきたASUSならではのポイントと言えようか
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筐体の向きが変わっても冷却性能に影響が出にくい設計になっているという
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ディスプレイの輝度は,500cd/m
2と,携帯型ゲームPCとしては明るく,日差しの強い屋外などでも画面が見やすいという。表面はCorningのコーティング技術「DXC」により,光の反射を抑えたほか,化学強化ガラス「Gorilla Glass Victus」で保護する。
DXCで光の反射を抑える
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高耐久のGorilla Glass Victusを採用した
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ディスプレイの左右に備えたゲームパッドは,左側にD-Padとアナログスティックを,右側には[A/B/X/Y]ボタンと右アナログスティックを備えたXbox風のレイアウトだ。[A/B/X/Y]ボタンとD-Padは1000万回,アナログスティックは200万回転の耐久試験をクリアしたという。背面には2つの拡張ボタンを搭載しており,任意のボタンやマクロを割り当てられる。
ゲームパッドのレイアウトはオーソドックスだ。アナログスティックのトップが凸型ではなく,凹型なのはめずらしいかもしれない
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背面に拡張ボタンを備える
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また,長時間の使用を考慮して,手のひらなどが触れる部分は,筐体に傾斜を設けたのに加えて,表面に滑りにくい加工を施す。筐体のフレームに軽量のアルミニウム合金を採用することで,約608gという軽さを実現したとのことだ。
筐体のさまざまな部分に傾斜をつけて,持ちやすい形状に
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部材の軽量化で重量を約608gに抑えたという
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ソフトウェアは,ASUS独自の設定用ソフトウェア「Armoury Crate」をベースとして,ROG ALLY向けに最適化した「
Armoury Crate SE」を備える。ROG ALLYにインストールしたゲームのランチャー機能に加え,各ボタンへの機能割り当て,アナログスティックやトリガーボタンの調整などの設定が可能だ。
Armoury Crate SE
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アナログスティックなどの調整にも対応する
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このほかにも,「
ROG Phone」に搭載している,ゲームプレイ中でも呼び出せる設定パネル「Game Genie」のような機能も利用できるようだ。
ゲーム内で表示可能な設定パネルも
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ついに,ROG ALLYの概要が明らかになったが,思った以上に価格が手ごろなのに驚いた。上位クラスの携帯型ゲームPCは,800ドル前後からそれ以上というケースが多い。それに対してROG ALLYは,
上位モデルでも699ドルとかなり抑えてきた印象だ。
2023年も各社から多くの携帯型ゲームPCが登場する見込みだが,その中でもROG ALLYは,とりわけ注目度の高い製品になりそうだ。本稿執筆時点では,国内発売の予定は明らかになっていないが,これまでの傾向から考えると,ASUSであればおそらく日本でも展開してくれるだろうと期待している。
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2023-05-12 05:01:55Z
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