2024年1月5日、最新鋭の観測機器が搭載されたX線分光撮像衛星(XRISM:クリズム)による最初の観測、ファーストライト観測データがJAXAにおいて公開されました。
XRISMは、日本、米国、欧州で共同開発され、2023年9月7日8時42分11秒(日本標準時間)にJAXAの種子島宇宙センターから打ち上がりました。衛星搭載機器の立ち上げや性能検証を含む初期運用がおよそ4カ月間行なわれた後、軟X線分光装置(Resolve:リゾルブ)の高い分光性能がこのファーストライト観測データで実証されました。
中央大学理工学部の坪井研究室は、XRISM の開発段階から計画に参加しています。今後は、引き続き the XRISM Science Team の一員として、初期観測のデータを用いて、恒星や中性子星の観測を進めていきます。
また、XRISMには、満月より広い38分角四方の視野をカバーする、軟X線撮像装置Xtend がResolveとともに搭載されています。この装置を用いて撮像されたX線写真も、JAXAWebサイトで公開されています。
坪井 陽子教授は、Xtendの広視野を生かして未知のX線天体を発見する「Xtend Transient Search (XTS)」を発案し、XRISMのプロジェクトとして主導しています。XTSプロジェクトには、中央大学からは、米山 友景助教、根本 登さん(理工学研究科 物理学専攻 博士前期課程2年)、赤須 孔一郎さん(理工学部 物理学科 4年)が加わり、新天体探査プログラムの開発を率いています。XTS はファーストライトが行われたまさに今から、運用開始します。XRISM の今後の成果、誰も見たことのない宇宙の姿にどうぞご期待ください。
図1: XRISM/Xtend で撮影した銀河団Abell 2319のX線写真。2つの銀河団が衝突している。 (画像提供:X線(JAXA) )
図2: XRISM/Resolveで取得された大マゼラン雲にある超新星残骸N132Dのスペクトルと、XRISM/Xtendで撮影されたN132DのX線写真。N132Dの太陽系からの距離は約16万3000光年。 (画像提供:JAXA)
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2024-01-05 02:09:18Z
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