Senin, 06 April 2020

写真好きは、スマホカメラをどう楽しむべきか? - ギズモード・ジャパン

スマホのカメラ、もてあまし気味じゃないですか?

最近はスマホの性能もほぼ頭打ちで、“スマホの高性能化=カメラの強化”という印象です。もちろん、それほどスマホカメラの需要が高いということですが、それは一般論。

ミラーレスや一眼レフやコンパクトカメラなどの“カメラ専用機”を持っている、写真が好きな人間にとっては、スマホカメラって「無いと困るけど、まあ、別に…」って感じじゃないでしょうか?

実際、僕はiPhone 3G以降ほぼ毎年新モデルに買い換えていた“ガチ勢”でしたが、もうiPhone Xを使い続けて3年目に突入しています。その理由の一つは、iPhone X発売後しばらくしてリコーのGR IIを購入し、プライベートでもカメラを持ち歩くようになったから。

だって、撮るフィーリングも、出てくる写真のクオリティーも、別次元ですもん。Google Pixelがすごいのはわかります。でも、「まぁ、ね」って程度です。深層学習を駆使したところで、まだまだ物理的なセンサーサイズやレンズの光学性能を脅かすほどには至っていません。

でも、スマホは生活必需品。スマホで写真を撮る気がなくても、勝手にスマホにはカメラがついてくる。しかも、目玉機能として製品価格の大部分に反映されている(ですよね?)。

どうせ買わなきゃいけないなら、スマホカメラを活用したい。さあ、どうやって?

というわけで、昨今のトレンドであるトリプルカメラ搭載、なおかつカメラメーカーであるソニーが作っている「Xperia 5」を相棒に、写真好きのためのスマホカメラ活用法を考えてみました。

活用法1:個性派の単焦点レンズと、スマホのトリプルカメラを組み合わせる

Xperia5と単焦点カメラ
Photo: 照沼健太

最近のトリプルカメラ搭載スマホは、超広角、標準、望遠それぞれの画角をカバーしています。Xperia 5の場合、超広角は16mm、標準は26mm、望遠は52mm相当(それぞれ焦点距離:35mm判換算)。

DSC_0057
Xperia 5 JPG撮って出し 超広角
Photo: 照沼健太

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Xperia 5 JPG撮って出し 標準
Photo: 照沼健太

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Xperia 5 JPG撮って出し 望遠
Photo: 照沼健太

それなら、もうズームレンズを持ち歩くのはやめてもいいんじゃないでしょうか?

このXperia 5をはじめ、多くのトリプルカメラスマホは、26mm前後の標準レンズに画素数もF値も高性能なパーツが与えられている傾向にあります。16mm前後の超広角は画角の特性上手ブレが目立ちづらい。一方、50mm以上の望遠はボディの軽さもあってブレやすくなってしまいます。

というわけで、メインカメラには50mm以上の画角の単焦点レンズを付けて、望遠域を楽しむのがおすすめです。

高架を歩道からXperia5で撮影
Xperia 5 JPG撮って出し
Photo: 照沼健太

センサーやレンズの力が物をいう望遠は専用機で、パンフォーカス気味になる16〜28mm程度の画角や、無難な描写はコンピューターが補正してくれるスマホカメラ、というふうに分担してみました。

この組み合わせなら、カメラ専用機はXperiaの優等生な絵とは異なるキャラクターで楽しみたいところ。たとえば超高画質、あるいは個性的な描写、または手触りなどの使い心地とか。

となると、キヤノンのRFレンズやソニーのGMといった最新の高性能単焦点、あるいはライカやツァイスやフォクトレンダーなどのMF単焦点レンズ、または個性派オールドレンズなんかの豪華一点主義が選択肢に入ってきます。でも、今の時代にせっかくカメラ専用機を使うなら、これくらい突き抜けていてもいいのでは?

もちろん、普段から単焦点派の方には釈迦に説法でしょうが「どんなシチュエーションや被写体に出会うか分からないから、なんでも撮れるようにしておきたい」と消極的な理由でズームレンズを選んでいるなら、ポケットの中に入っているスマホを活用したほうが幸せになれるかもしれません。

活用法2:フィルムカメラとスマホのデジタルカメラのアナデジコンビ

Xperia5とフィルムカメラ
Photo: 照沼健太

続いて考えられるのが、もうデジタル写真は全部スマホに任せる!というスタイル。

近頃はフィルム写真ブームと言われて久しいですが、いつまでフィルムが生産されるかは分かりません。後世、僕たちは“フィルムで写真を楽しめた希少な世代”と呼ばれるかもしれません。というか、このまま行くと、多分そうなります。

それなら、せっかくだからフィルム写真を楽しんでみてもいいのでは? で、SNSなどに出したいデジタル写真はスマホで撮るんです。

超広角、標準、望遠といった幅広い画角はもちろん、コンピューターが補正してくれるので、HDR撮影だってスマホはお手の物。けれどフィルム独特の描写、粒状性、現像した写真を見るまでのワクワクなどは、再現できません。それらをシミュレーションできるアプリはありますが、根本的に別物です。

ケーキ
Xperia 5 JPG撮って出し
Photo: 照沼健太

インスタ用にテーブルフォトが撮りたい? フィルムカメラが苦手な暗所撮影や、マクロ撮影はスマホに任せましょう。上の写真はあくまで撮って出し。ここからLightroomやVSCOなどのアプリで加工すれば、スマホだけで十分に映えさせられますよ。

活用法3:スマホしか持ち歩かない

LNV143
Photo: 照沼健太

最後に紹介したいのが、究極の割り切り。それは、もうカメラ専用機は持たない、という選択です。

本末転倒っぽいですが、それくらい最近のスマホカメラの性能は上がっていますからね。特に晴天下や、完璧にセッティングされた照明のもとでは、高級カメラとスマホの違いがわからないことだって珍しくありません。XperiaベントレーのCMを見てみてください。

そして、Profotoのようなプロ用ストロボメーカーですら「C1」のようなスマホ用スタジオライトを発売する時代ですから、スマホは間違いなく写真のフロンティアの一つです。

スマホの得意なシチュエーションを見つければ、カメラ専用機ではなかなか撮れない写真だって撮影できますよ。

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Xperia 5 JPG撮って出し
Photo: 照沼健太

スマホの機種ごとに得意なシチュエーションは異なりますが、一般的にスマホカメラはマクロ撮影が得意です。特にフルサイズセンサー搭載カメラでこれくらい寄ってしまうと被写界深度が狭くボケすぎてしまいがちですが、スマホの小さなセンサーが逆に良い働きをしてくれます。

ムービーの話となりますが、あの映画『シン・ゴジラ』だって、ミニチュア撮影シーンではスマホのカメラが大活躍したそうです。言われてみれば、ミニチュア撮影とスマホの小さなセンサーがもたらす深い被写界深度は好相性です。

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Xperia 5 JPG撮って出し
Photo: 照沼健太

そして、アクションカメラ風に、普通のカメラを設置できない場所やアングルを狙えるのもスマホの魅力です。

あるいはもっと極端に、日常の撮影は全てスマホカメラで賄い、週末は中判カメラで画質を極めた写真を撮るなんて選択もありかもしれませんね。

スマホカメラ、もっと楽めそうだけどもったいないところも

以上、スマホカメラの活用法をいくつかご提案しました。ただ、正直言ってスマホカメラには注文をつけたい部分もあります。

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Photo: Getty Images

特に(日本の)iPhone。シャッター音がうるさすぎます! あんな大きなシャッター音を鳴らして写真を撮る気になんかなりませんよ。普段はLive Photoにすることでシャッター音を抑えていますが、それではRAW撮影はできないし、ポートレート等の機能は使えません。どんなに新モデルでカメラ機能を強化されても、(シャッター音をオフにできない日本では)iPhoneの魅力は半減しています。

そして、Xperia 5をはじめとする多くのAndroidスマホ。カラーサイエンスがヘンです。画面の色合いがおかしかったり(蛍光色っぽい派手な発色をするモードなんて最悪です)、カメラアプリ自体の色作りが不自然すぎたり。

どんなに優秀な有機EL液晶を積もうが、深層学習を採用しようが、高価なレンズやセンサーを搭載しようが、基準となるファインダー(ディスプレイ)が狂っていたら、イメージしたとおりの写真を撮るのは難しいです。店頭ではその方が映えるのかもしれませんが…。

小さいセンサーには小さいなりのメリットがありますし、複数のレンズを並べてたくさんの画角が楽しめるし、スマホカメラが面白いカメラであることは間違いないです。

あとは、過度に見栄えするチューニングをせず、日本だけシャッター音がミュートできないという仕様を正してくれることを願っています。

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2020-04-06 09:00:00Z
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