Jumat, 12 Juni 2020

約1.3kgでComet LakeとGeForce MX250を搭載したモバイルノート「MateBook X Pro」 - PC Watch

MateBook X Pro

 ファーウェイ・ジャパンは6月2日、MateBook X Proの新モデルを発表、6月5日より販売を開始した。Core i5とCore i7モデルがあるなか、後者が編集部から送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。

ちょうど2年でモデルチェンジした13.9型ハイエンドノートPC

 2018年6月に販売開始された前モデルの「MateBook X Pro」は、サイズ、重量、デザイン、パネル、クアッドスピーカー、ポップアップするWebカメラなどは同じ。プロセッサが第8世代Core i7/i5、GPUはGeForce MX150、ストレージは512GB/256GB SSDという構成だった。

 そして今回2年を経てリニューアルされた。SKUは違うものの名称が同じなので、2020をつけたほうがわかりやすいかもしれない。というのも、スペックを調べようと名前で検索したところ、2018年モデルが先に見つかり、プロセッサの部分を見るまで気がつかなかった経緯がある。また執筆時点ではAmazon.co.jpで前モデルが今でも売られているため、余計ややこしいことになっている。

 旧モデルとの違いは第10世代Comet Lakeになった点と、ストレージが倍増した点、そしてdGPU(Core i7モデルのみ)がパワーアップした点で、今時の構成となった。おもな仕様は以下のとおり。

【表】HUAWEI「MateBook X Pro」の仕様
プロセッサCore i7-10510U(4コア8スレッド/1.8GHz~4.9GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W)
メモリ16GB/LPDDR3 2133MHz
ストレージ1TB SSD
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイ13.9型3,000×2,000ドット(260PPI)、sRGB100%、10点タッチ対応
グラフィックスUHD Graphics 620/GeForce MX250(2GB)、Type-C
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB 3.0×1、USB 3.1 Type-C×2、約100万画素Webカメラ、指紋センサー、音声入出力、クアッドスピーカー、クアッドマイク
バッテリ容量/駆動時間56Wh、14.9時間
サイズ/重量約304×217×14.6mm(幅×奥行き×高さ)/約1.33kg
MateDock2Type-A、Type-C×2(入力/出力)、HDMI、ミニD-Sub15ピン
価格261,781円(Amazon.co.jp調べ)

 プロセッサは、Comet Lakeの第10世代Core i7-10510U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから最大4.9GHz。キャッシュは8MBで、TDPは15W。メモリはLPDDR3 2133MHzの16GB(8GB×2)。ストレージは1TB SSD。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。

 グラフィックスは、プロセッサ内蔵UHD Graphics 620と、GeForce MX250(2GB)。外部出力用に本体側にType-C、MateDock2側にHDMIとミニD-Sub15ピンを備えている。ディスプレイは、13.9型3,000×2,000ドット(260PPI)、個人的に好みのアスペクト比3:2だ。色域sRGB 100%、10点タッチに対応する。

 ネットワークは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。今時としてはWi-Fi 6でないのが残念。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 3.1 Type-C×2、約100万画素Webカメラ、指紋センサー、音声入出力、クアッドスピーカー、クアッドマイク。Webカメラは狭額縁でフチには入り切らず、キーボードの上中央にポップアップ式で収まっている。SDカードなどには非対応だ。

 標準でMateDock2が付属。Type-Cのケーブル1本でType-A、Type-C、HDMI、ミニD-Sub15ピンの拡張が可能だ。できればこちら側でGigabit EthernetとSDカードに対応してほしかったところか。ACアダプタは65WタイプのPD対応。30分の充電で本機を6時間使用することが可能だ。

 サイズ約304×217×14.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.33kg。56Whのバッテリを内蔵し、最大14.9時間駆動。価格は261,781円(Amazon.co.jp調べ)。スペック的に仕方ないが高価なモデルとなる。

 なお、Core i5-10210U(4C/8T、1.6-4.2 GHz)/16GB/512GB/iGPUの下位モデルは、価格195,781円(同)。用途的にiGPUでよければ、こちらを選択するのもありだろう。少し前に購入し、ご紹介したNUCもこのプロセッサでiGPUだが、十分快適に動作している。

 筐体の色はスペースグレイ。質感や見た目も含め、某社のBookにそっくりだが、パネルが3:2なので、本機のほうがバランス的に奥行きがある。逆にWindowsマシンであの雰囲気がほしい人にはピッタリのデザインだ。約14型で実測1,347g。重いほうではないだろう。

 前面は画面占有率91%なのでフチがほぼない。このためWebカメラはキーボード面にポップアップ式で収納している。ただローアングルになるため、顔の映りはあまり良くない。昨今ビデオ会議がはやっているので、これはマイナスポイントとなるだろう。

 左側面に音声入出力、Type-C×2。右側面にType-Aを配置。横の写真からもわかるように3.5mmジャックの高さがギリギリとかなり薄く、コネクタ類はシンプルになっている。その分、Gigabit EthernetやSDカードスロットがないなど、一部犠牲になっているが、ここは痛し痒しと言ったところか。

 付属のACアダプタは、サイズ約60×60×30mm、重量152g、出力5V/2A、9V/2A、12V/2A、15/V3A、20V/3.25A(65Wタイプ)。もちろんPD対応だ。またMateDock2と呼ばれる拡張ポートも標準で付属する。

 キーボードは、オフ+2段階のキーボードバックライトつきアイソレーションタイプだ。ストロークとクリック感もそこそこあり、加えてキーピッチがそろっているのでかなり使いやすい。キートップの感触もいいのだが、少し汚れやすいのが玉に瑕。電源ボタンは指紋センサーを兼ねている。タッチパッドは1枚プレート型。パームレストも含め十分な面積を確保。年間数多くのノートPCを試用しているが、このキーボード/タッチパッドは個人的には上位にランクする好みとなる。

 13.9型3,000×2,000ドットのディスプレイは、アスペクト比3:2とこれも筆者の好み。sRGB100%で発色も良く、明るさ(最大450 nit)、コントラスト、視野角も十分。品質の高いパネルが使われている。しかもタッチ対応だ。

 余談になるが、長年使っていた「EIZO CG245W」から「BenQ SW240」へつい先日乗り換えた。24.1型非光沢1,920×1,200ドット、sRGB 100%/Adobe RGB 99%でハードウェアキャリブレーション対応なのだが、CG245Wとは違い、センサーは外付けになるため、フードと合わせて「X-Rite i1Display Pro」も購入。これによりノートPCのパネルなどの特性を測ることが可能になった(i1Profilerを使用)。以降、必要に応じて掲載するので参考にしてほしい。

 基準値は、一般的に写真表示に適していると言われる“白色点D65K、輝度120cd/平方m”。ただしノートPCの輝度は加減が大雑把なので、一番近いところで合わすことになる。今回まんなかだと90cd/平方m、もう1つ上だと135cd/平方mだったので、後者で計測。

 結果を見るとD65Kは完璧。黒色輝度(つまり真っ黒)も0cd/平方mになっているのでシャドウは浮いて見えない。R/G/Bのリニアリティもこの手のノートPCとしては優秀なほうだろう。ほぼほぼそろってる上に直線的だ。輝度は120cd/平方mではないものの、まんなか(90cd/平方m)か+1の位置(135cd/平方m)にすれば、写真を表示するのに適した状態となる。筆者が目視で「綺麗」と書くよりは、こちらのほうが説得力があるだろう。

基準値と結果
R/G/Bのリニアリティ

 振動やノイズは試用した範囲ではとくに感じなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、キーボード上の金属部分が分単位で指を置くにはつらい温度、そしてパームレストまで熱が下りてくる。本機の唯一気になる部分だ。

 サウンドは本体の裏左右にスリット、キーボード脇左右にメッシュがあり、直接音と机などに反射した間接音の2種類の音となる。筐体毎振動させるほどパワーがあり、ノートPCとしてはなかなかの音だ。幅もあるのでステレオ感も十分。本体だけで音楽も映像も楽しめる。

ストレスなしで操作でき、バッテリ駆動約12時間

 初回起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループはない。デスクトップは壁紙の変更とPC Managerへのショートカットおよびタスクトレイに追加。構成が構成なのでストレスなく動作する。

 ストレージは1TB SSDのSAMSUNG「MZVLB1T0HBLR-00000」。仕様によるとシーケンシャルリード3,500MB/s、シーケンシャルライト3,000MB/s。ベンチマークテストの結果もそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約938.25GBが割り当てられ空き903GB。

 Wi-FiとBluetoothはIntel製。NVIDIAコントロールパネルでGeForce MX250(2GB)はCUDAコア384なのがわかる。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループはない
起動時のデスクトップは壁紙の変更とPC Managerへのショートカットおよびタスクトレイに追加
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージは1TB SSDのSAMSUNG「MZVLB1T0HBLR-00000」。Wi-FiとBluetoothはIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約938.25GBが割り当てられている
NVIDIAコントロールパネル。CUDAコア384

 おもなプリインストールのソフトウェアは、「PC Manager」、「Huawei HotKeys」。PC Manager / 自分の端末にある、OneHop、スクリーン録画、ファイルとクリップボードを共有は、同社のスマートフォンでEMUI 9.1以上を搭載していれば使用可能。マルチスクリーンコラボレーションのみEMUI 10.0以上が必要となる。同社の端末が必要と、少しハードルが高いものの、所有していれば使わない手はない。

PC Manager / 自分のPC
PC Manager / ハードウェア診断
PC Manager / ドライバー管理
PC Manager / 自分の端末
Huawei Shareを使って、同社のスマートフォンP20 Proで撮った写真をMateBook X Proへワンタップで転送

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。結果は以下のとおり。以前試用したCore i7-10510U/iGPUを搭載したノートPCと比較して、3DMarkはざっくり倍前後違う感じだ。

 PCMark 10/BATTERY/Modern Office 11時間53分(キーボードバックライトOFF。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。仕様では最大14.9時間であるが、このテストは結構重めなので、12時間近く持てば十分だと思われる。

【表】ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2177
PCMark 10 Score3,985
Essentials8,713
App Start-up Score13,775
Video Conferencing Score6,557
Web Browsing Score7,324
Productivity7,201
Spreadsheets Score7,845
Writing Score6,610
Digital Content Creation2,737
Photo Editing Score3,209
Rendering and Visualization Score1,874
Video Editting Score3,410
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,235
Creative Accelarated 3.03,597
Work Accelarated 2.04,492
Storage5,095
3DMark v2.11.6866
Time Spy897
Fire Strike Ultra417
Fire Strike Extreme1,222
Fire Strike2,493
Sky Diver7,842
Cloud Gate10,057
Ice Storm Extreme37,730
Ice Storm32,135
CINEBENCH R20
CPU1109 pts(10位)
CPU(Single Core)374 pts(5位)
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード3562.146 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト3025.548 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード1465.427 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト1131.628 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード578.713 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト415.835 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード51.542 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト170.416 MB/s
PCMark 10/BATTERY/Modern Office11時間53分

 以上のようにHUAWEI「MateBook X Pro」は、Comet LakeのCore i7、メモリ16GB、ストレージ1TB、13.9型3,000×2,000ドットのディスプレイ、そしてdGPUとしてGeForce MX250(2GB)を搭載したノートPCだ。性能はもちろん、バッテリ駆動時間も12時間近くと結構長い。ただ税込み価格が25万円オーバーなので、予算的に厳しいときは、Cpre i5/iGPUモデルも考慮に入れたい。

 負荷をかけるとパームレストまで熱が下りてくるのは気になるが、全体的に完成度は高い。Comet Lakeで13型より少し広めでスリムなノートPCを探しているユーザーにおすすめしたい1台だ。

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2020-06-12 21:55:00Z
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