ソニーは、防水・防塵仕様かつノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「WF-SP800N」を6月27日に発売します。市場想定価格は税別2万4000円前後です。数日間試用できる機会を得ましたのでレビューします。
WF-1000XM3の弱点を克服しながら、さらに安くなった
以前より本誌でも多数のライター陣が絶賛していたソニーの「WF-1000XM3」は、ノイズキャンセリング機能を搭載していたものの、防水などの付加機能はなく、税別2万5880円という価格の高さが難点でした。
筆者が執筆したWF-1000XM3のレビュー記事でも触れたように、防水非対応となるとトレーニング中や雨の日に使うのはやや不安です。
そんなWF-1000XM3の弱点を克服したのが「WF-SP800N」。WF-1000XM3のノイズキャンセリングや外音取り込み機能を踏襲しつつ、新たにIP55相当の防水・防塵性能を備えたことが主な特徴です。
防水といっても等級はIPX5に留まるため、水没させたり水泳などでの利用は推奨できませんが、雨や汗、ほこりに強く、運動後に水洗いもできます。ただし、充電ケースは防水・防塵仕様ではありませんので注意して使用しましょう。
サウンドは AirPods Pro よりも超重低音
筆者は残念ながらWF-1000XM3を買い逃してしまったため、手元にある「AirPods Pro」とWF-SP800Nの音質を比べてみました。
AirPods Pro はIPX4等級の耐水性を持ちながら、ノイズキャンセリングや外音取り込み機能を搭載しており価格は税別2万7800円と、WF-SP800Nよりも少し高価です。AirPods Pro のサウンドについては先代のAirPodsよりも重低音を強化したような印象ですが、耳の奥までしっかりと響き、ズシッとくるようなサウンドを求めているため、個人的には AirPods Pro のサウンドに満足していません。
重低音か否かは聴く楽曲によっても異なるため、一概に言うことは難しいですが、WF-SP800Nは軽めなサウンドのポップスや、バンドスタイルのロック、テクノの要素が取り込まれたデジタルロック、トランス、EDM、ジャズ、R&Bなど、一通りのジャンルを低音ガツガツ系(EXTRA BASS シリーズのサウンド)にしてくれるため、イコライザーで調節するのは面倒だなぁ......と感じている人にもオススメできます。
中高音域に関しても、AirPods Pro と同様に音がこもらないのも特徴。ハスキーボイスの歌手の楽曲でもしっかりと聴こえます。一方でドシっと芯の太い歌手の楽曲は音源よりも強調されて聴こえます。
ノイキャン効果も良いが、聴き疲れしにくい付け心地も最高
ノイズキャンセリングの効果が心地よいと感じられることはもちろんですが、WF-SP800Nは長時間リスニングをしていても、キューっと耳奥が詰まるような感覚の AirPods Pro よりも耳が疲れにくいと感じました。
その理由はイヤホンの構造や形が影響しているのかもしれません。AirPods Pro は耳奥に先端部がフィットするような形状ですが、WF-SP800Nは耳のくぼみに合うような形状のアークサポーターを搭載し、激しい運動をしても外れないように配慮されています。アークサポーターはサイズの異なるMとLが同梱されていますので、自分の耳に合う方を選ぶと良いでしょう。
ユーザーの動きを検知し最適なサウンドに自動で切り替える新機能
WF-SP800NはWF-1000XM3と同様に、Android / iOSアプリ「Sony | Headphones Connect」に対応。イコライザーを使って好みのサウンドに近づけたり、タッチセンサーに割り当てる機能を変更できることなどは、これまでと変わらず設定できますが、ユーザーの動きを検知し外音取り込みモードを自動で切り替える新機能が加わっています。
具体的な内容は、WF-SP800Nと接続したスマートフォンの加速度センサーを利用して、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の計4パターンの行動を検出。ユーザーの行動に合わせて、あらかじめアプリ内の各パターンで設定しておいたノイズキャンセリングや外音取り込みのモードに自動で切り替えてくれる、というもの。
たとえば、止まっている時/歩いている時/走っている時は、外音取り込みがオン(有効)に、乗り物に乗っている時は外音取り込みがオフ(無効)になり、ノイズキャンセリングがオン(有効)になります。
もちろん、ユーザーが好みに応じてノイズキャンセリングのオン・オフを切り替えたり、外音をどの程度取り込むのかを調節したりすることも可能です。
また、加速度センサーを利用した行動の検出に加えて、スマートフォンの位置情報に応じた設定も可能になりました。特定の場所(自宅やジムなど)と、その場所で使いたい外音取り込みモードやイコライザーをあらかじめ設定しておくことで、その場所につくとAIが解析し自動でモードを切り替えてくれます。
音楽を聴いている場所に応じてイヤホンが自動でモードを切り替えてくれるため、これまでユーザー自信が手動で行っていた切り替えの手間が減るため、よりリスニングに集中できます。
惜しいところもあるけれど、何よりもこれを待っていた
ここまで良いとこづくしなWF-SP800Nですが、数日間試用して最も気になったのはイヤホンを充電する専用ケースのサイズが大きいこと。下の写真でもわかるように AirPods Pro よりも二回りも大きいため、持ち運びがしやすいとは言いがたく、シャツやズボンのポケットに入れて持ち運ぶことを想定している人は注意しましょう。
そして、これまのレビュー記事でも口を酸っぱくして言ってきたことですが、ワイヤレス充電ができないこと。いくら急速充電に対応しているとはいえ、ワイヤレス充電器の上に置くだけで充電が開始されるという手軽さ故に、今後、完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ上で、ワイヤレス充電も選ぶ決め手になると感じました。
WF-1000XM3を含めて評価できないところもあったソニーの完全ワイヤレスイヤホンですが、WF-SP800NはIP55相当の防水・防塵(じん)性能や重低音サウンドに加え、ノイズキャンセリングや外音取り込み機能などをWF-1000XM3から継承しており、正に“歌モノ好き必携”のサウンドと機能を兼ね備えた完全無線イヤホン──と評価できます。
主な仕様などはソニーの製品サイトと本誌の速報記事を合わせてご参照ください。
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2020-06-12 23:05:18Z
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