機能も大事だけど、お手入れしやすさも大事。
日本の夏は気温だけでなく湿度も高く、お部屋がムシムシとこもりがち。そんなとき重宝するのが、部屋の空気を循環させてくれるファンやサーキュレーターです。エアコンの風に疲れたときや就寝時でも自然に近い「涼」を感じられ、一家に一台あるととても便利。今回は、家電に詳しいWirecutterが厳選したおすすめファン&サーキュレーターをズラッとご紹介します!
Wirecutter編集部は室内用のファンを8年間テストしてきました。その結果、最高の一品はVornadoの630 Medium Air Circulator(日本向け仕様:ボルネード630-JP サーキュレーター)に決定しました! 設置や操作も簡単で、広めのお部屋でも首フリなしでしっかり空気を循環させてくれます。
コスパ最高のサーキュレーター:Vornado 630 Medium Air Circulator
パワーと耐久性は折り紙付き。 コンパクトながら、お部屋の隅々まで爽やかな風をしっかり届けます。操作やお手入れも簡単で長年の信頼と実績があります。
Vornado 630 Medium Air Circulator(日本仕様)はシンプルでパワフル。音は静かなのにしっかり風を送ってくれる、頼もしいサーキュレーターです。ちなみにサーキュレーターとは、部屋の空気を回す「渦」を作り出す「空気循環器」のこと。首を振りながら送風する扇風機とは違い、ムラなく部屋全体の空気を動かします。
630はパワフルながらお手頃価格で、サイズもバスケットボールほどとコンパクト。5年保証(日本仕様は2年保証)がついているので、安心です。リモコンやタイマーはありませんが、そのぶん操作は簡単。側面にある風量調節ダイヤルは使いやすく、お手入れもラクラクです。Vornadoのサーキュレーターはどれもハズレなしですが、このモデルは特にコスパ最強です。
小型の静音設計で寝室やオフィスに最適:Vornado 460 Small Air Circulator
小型で静音。460は630より小型ですがその分静音設計。でも大型機種に負けないパワーでしっかり風を送ってくれるので、寝室や書斎などにも最適なオプションです。
Vornado 460 Small Air Circulator(日本向け仕様:ボルネード360-JP サーキュレーター・モダン)は630に負けず劣らぬ機能を持ちながら、価格はやや安め。630は時折うなるような音を出すことがありますが、460は安定感があるので眠りを妨げる心配もありません。サイズはバレーボール大とやや小ぶりなので、広いお部屋の空気循環には少々物足りないかもしれませんが、寝室やオフィスなど音が気になりやすい場所にはおすすめです。
唯一のマイナスポイントは、風量調節ダイヤルがモーターの後ろに設置されているところ。使用中に操作する際は、顔に風を浴びながらダイヤルを回すことになります。
機能性プラスのハイエンド:Vornado 610DC Energy Smart Medium Air Circulator
高価格でも納得の機能。 風量は無段階調節可能、エコ設計で10年保証(※日本仕様は5年保証)つき。
Vornado 610DC Energy Smart Medium Air Circulatorは630や460よりもややお高めのハイエンド版(日本向け仕様:610DC2-JP エナジースマートサーキュレーターDCモーターモデル)。静音にこだわる方や風量を細かく調節したい方にはおすすめです。
無段階の風量調節ダイヤルにDCモーター、そして安心の10年保証付き(日本仕様は5年保証)。価格は630よりも割高ですが、省エネ設計なので長期的にはお得かも。Vornado社によると、AC電源の製品と比べると80%省エネなのだとか。これはWirecutterのテストでも実証されています(風量を「強」以外)。風量調節ダイヤルが無段階調整できるので、自分好みの風をピンポイントで選べるのは嬉しいです。ちなみに630と460は「弱」「中」「強」の三段階。ただラップトップ同様、アダプターは大きくてややかさばります。
機能を絞ったお手頃コンパクトなサーキュレーター:Holmes Lil’ Blizzard Performance Table Fan
低価格なのにパワフル。強くて安い。首フリ機能つき。ビルド品質や機能は若干低め。
予算は抑えたいけどパワーもほしい、という方におすすめなのがHolmes Lil’ Blizzard Performance Table Fan。ノイズは気になりますし、プラスチックのチープ感は否めませんが、お手入れ簡単でコンパクト、首フリ機能つきなのはポイント高いです。ビルド品質や機能は他のおすすめ製品より劣りますが、価格とサイズを考えれば納得です。
とにかく機能を重視する方へ、最高ランクのDyson Air Multiplier AM06
高いけど、すごい。パワフルで機能満載、静かでお手入れもラクラク。最高のファンですが、高価です。
Dyson Air Multiplier AM06は見た目が個性的で値段も高いため一見とっつきにくいですが、今回テストした製品の中で静音性とパワーがピカイチ。羽根がないのでお手入れも楽で、一言で表すなら最高のファン。送風の強度は中程度ですが、空気循環力は最強ランク。上下角度も無段階調節可能でスリープタイマーも搭載。風量調節は10段階なので好みの強さに調整できます。見た目も手触りも洗練されていて、羽根のないデザインは非常にアイコニック。小型リモコンはマグネットで本体に装着できるので置き場に困りません。ここまで機能が充実しているので、お値段もかなりお高めです。価格以外には文句の付け所はありません。美しさにこだわる方は、財布のヒモを緩めてみるのもいいかもしれません。
ここまで一気にご紹介してきましたので、それぞれの性能を詳しく見ていきましょう!
おすすめ製品の性能を詳しく解説!コスパ最高のVornado 630 Medium Air Circulator
Vornado 630 Medium Air Circulator(日本仕様)はお手頃価格でありながらインパクト強めのサーキュレーター体験を提供してくれます。Wirecutterのテストでは、同程度のスペックの製品の中でも抜群の送風力を披露。独創的なデザインで、首フリ扇風機のような断続的な風ではなく、部屋全体が爽やかな風に包まれます。サイズはバスケットボールと同じくらいで、床でも卓上でも場所をとりません。音も比較的静かで、強力なファン音というよりはホワイトノイズ。ユーザーからの評価も高く、この5年間で1,000件以上に及ぶAmazonの評価も5点満点中4.5と上々。アフターサービスも充実しています。
Vornadoのサーキュレーターは部屋全体に「空気のビーム」を送るような使用感で、文字どおりの「空気循環器」。背面から新鮮な空気を吸い込み、空間全体に継続的な循環風を生み出します。Vornadoの設計者、ブライアン・カートライト氏は「Vornadoが基本デザインを完成させたのは1945年のこと。初期のジェットエンジンの構造が基になっています」と説明しています(詳細はこちらの動画)。
比較してみると、通常のファンは継続的な循環を生み出しているわけではなく空気を分散させているだけ。「だからこそ首フリ機能がついているのです。直接風が当たっている間は涼しく感じますから」とカートライト氏は言います。
暑い夏、サーキュレーターを最大限活用したいのなら、Vornadoのおすすめは部屋の反対側の壁に向かって斜め45度傾けるのがベスト。逆に、冬は低位置から天井に向けて回すと熱が部屋全体に均等に分散させられるそうです。
直径約25cmとコンパクトサイズながら、630はパワーも十分。Vornadoでは寝室やキッチン、オフィスといったミディアムサイズの部屋での利用をおすすめしていますが、Wirecutter編集部でのテストではリビングやダイニングでもしっかり涼しくしてくれました。リビングが広めのお宅や、強めに風を感じたい方はよりビッグサイズのVornado 660 Large Air Circulator(日本向け製品:660-JP)もお試しください。でも、630でも十分事足りると思いますよ。
音がまったくないわけではありませんが、これだけの空気循環能力を加味すればかなりの静音だといえます。「中」「弱」の場合、会話やテレビなどの邪魔にならないホワイトノイズ。「強」にすると多少ボリュームは大きくなりますが、交通量の多い道路に面した場所なら、逆に外の音が聞こえなくなってストレスが減るかも。間近に置かない限り、「強」でもテレビの音が聞こえるレベルです。ちなみに、630と同等パワーと静音設計を兼ね備えていたのはDyson Air Multiplier AM06だけでしたが、Dysonのほうが高価格です。630よりも音が静かなファンもありますが、Lasko 20″ Wind Machine Fan 3300、Lasko Oscillating High Velocity Fan with Remote Control 4930など他の多くの機種はVornadoのホワイトノイズよりも耳障りな回転音が気になりました。
外観も特別オシャレなわけではありませんが、しっかりした作りでチープ感はありません。羽根カバーのフレームがゆがんだり曲がったりすることもありませんでした。ずんぐりした丸っこいフォルムで安定感は抜群です。
630には製造上の欠陥などをカバーする保証付きなので、対象となる場合は無償で修理交換してくれます。インターネット上のレビューも高評価で、Amazonでは星4.5(5点満点)を獲得しています。
タワー型のファンと違って、630はメンテナンスやお掃除も簡単。パネルやネジを外したりする必要はなく、クリップを外してフレームを外して、薄めた中性洗剤などで羽根を水ぶきすればOK。お手入れ方法は取扱説明書に記載されているので、確認してください。
風量調節とカラーの少なさが気になるところ
風量調節は「弱」「中」「強」の3段階なので、そこが物足りないかも。ハイエンド製品としてご紹介したVornado 610DCやDysonのほうが自由自在に調節できますが、その分価格もそれぞれかなり高くなっています。
630はカラーバリエもブラックのみ(630-JPはホワイトとブラックの二色)で選ぶ楽しさは少ないですが、サーキュレーターと家具のコーディネートにこだわる人は少数派だと思いますので、モノトーンであれば問題ないでしょう。個性的なデザインを好む方は、Dyson製品をどうぞ。
630にリモコンは付属していませんが、サーキュレーターにリモコンがついていても早々に失くしてしまうケースも多いので、マイナスポイントにはしませんでした。
小型の静音設計でおすすめのVornado 460 Small Air Circulator
Vornado 460 Small Air Circulator(日本仕様)はコンパクトながら、十分なパワーで寝室やオフィスを快適に保ってくれます。音も静かで、光沢とマットな質感のコンビネーションが魅力。保証もしっかりついています。
おすすめNo.1のVornado630と比較すると、まず大きな違いはパワーです。460では広めのリビングには少々力不足。それでも寝室などには十分使えるので、630が手に入らなかったときは代替品として買うのもアリです。また、630はうなるような音がしますが、460の運転音はブレないので音に敏感な方や眠りが浅い方にも460はおすすめです。
460はコンパクトなサイズ感から想像するよりはるかに多くの空気を動かします。小さなボディで循環させるぶん、むしろ空気の流れが速く感じられるはず。
最大のマイナスポイントは、風量調節ダイヤルの設置場所。ボディ背面の支柱の後ろに隠れており、手探りでダイヤルを回すことに。ボディ側面にダイヤルがある630と比べると操作しにくいのが残念です。
とはいえ、バレーボールと同等サイズの460は使い勝手がよくお手頃感が魅力。卓上でも部屋の隅でも邪魔になりません。光沢感とマットを併せ持ったボディは洗練された印象ですし、頑丈なので本棚に納めても大丈夫です。保証期間中(日本向け360-JPは1年保証)は無料で修理交換に対応してくれるので安心です。
機能性プラスの: Vornado 610DC Energy Smart Medium Air Circulator
スマートな外観のVornado 610DC Energy Smart Medium Air Circulator(日本仕様)は630同様、コンパクトでパワフル。ちょっと割高ですが、その分機能も充実しています。
DC電源で動作するので、同等サイズのAC電源ファンよりもエネルギー効率が高くなります。保証も10年(日本向け製品はユーザー登録すれば10年、それ以外は5年)ついています。これはサーキュレーターとしては最長クラス。ただ、630よりかなり価格が上がっているので、万人向けというわけではありません。操作性や省エネ性能を重視する方には、予算を余分にかける価値のある製品です。
610DCは「エネルギー効率の良いファン」と銘打たれていますが、実際に使ってみて一番うれしいのは無段階の風量調節ダイヤル。使い方は簡単で、微風から強風まで自由自在に好みの風を選べます。最強で630の「強」と同じくらいで、最弱だと小さなため息程度。ため息からハミングへ、そしてそよ風へ…と微妙な風量調整も楽しめます。はじめは「そんなに細かい機能いらないよー」なんて思っていても、あればあったでうれしいはず。
Amazonのレビューでは、「“弱すぎる風”と“台風並みの強風”の2択を迫られることはもうありません。思い通りのそよそよ感や、浴びるほどの強風、あるいはその中間だったり、その時欲しい風が手に入ります」。
もちろん、610DCの省エネ設計も大きなメリットです。エアコンなどと比べればそもそもエネルギー消費量は少ないですが、Vornadoによると本製品はAC電源モデルよりも80%も電力消費が少ないんだとか。同社のエンジニアであるグレッグ・ピース氏はAC技術とDC技術の差を、「白熱灯とLEDの違い」に例えています。アウトプットは同じだけれど、方法論が違うというわけです。ピース氏によると熱エネルギーよりも機械エネルギ―に多くの電力を費やすDCファンでは、低速でのトルクが大きく、最小限のエネルギーで微風を生み出すことができるのだそう。
610DCモデルのワット数を他の製品と比べてみたところ、おすすめNo.1のVornado 630はフルパワーで53W消費したのに対し、610DCは31.8Wでした。Dysonは19.5W、Vornado 460は70W、そしてHolmes Lil’ Blizzardは30Wでした。総合的にはDysonが最も消費電力が少なかったのですが、630や460と比べると610DCはそれぞれ40%、55%省エネでした。
ちょっとむずかしい話になりますが、610DCは指数関数的に電力を消費するので、中くらいから弱風設定で使用するのが最もエネルギー効率が良くなります。つまり、630と610DCを「強」で比べると610DCのほうが40%省エネですが、「中」だと88%減、「弱」なら94%減まで抑えられました。そもそもファンの電力量は小さいので、その差は大きく感じられないかもしれませんが、塵も積もれば山となり、長期的にはかなりの節約になるはず。Vornadoの宣伝も決して誇大ではないのです。
忘れてはいけないのが、610DCの10年保証です(日本向け製品はユーザー登録で10年、それ以外は5年)。製品材料や製造上の欠陥をカバーする保証なので、通常使用でファンが自然に壊れた場合は無料で修理交換してくれますVornadoがDC電源ラインナップをリリースしたのはごく最近のことですが、長い実績を持つ企業が長期保証をしている製品ですから、安心しておすすめすることができます。
ただ、価格以外に610DCのマイナスポイントをあげるなら、アダプターが必要なことです。見た目は黒い箱で、平らな床などに置かなければならず、サーキュレーターのハンディ感を邪魔している印象です。ソファや本の後ろに隠して使うといいかもしれません。
機能を絞ったお手頃コンパクトなサーキュレーター、Holmes Lil’ Blizzard Performance Table Fan
Holmes Lil’ Blizzard Performance Table Fanはホームオフィスや書斎、客間といった手狭なスペースに最適の製品です。1.5~3m先まで安定感のある風を送り、首フリ機能に“High”“Low”の二段階風力調節など、機能も必要十分です。もちろん、こうした機能は他の機種にもありますが、この価格帯では充実しているといえます(名前はラッパー風ですが)。
3m先までそよ風をしっかり届けてくれるので、Lil’ Blizzardのサイズと価格を考えれば空気循環力はかなり高いといえます。エアコンのない宿泊施設や蒸し暑いオフィスなど、ここぞというときに部屋全体のサーキュレーターとしても活躍してくれるでしょう。Amazonのレビューにも、「旅行先に必ず持っていきます。故障したことはありません」というコメントが。
パワー以外のポイントとして、Lil’ Blizzardは左右に40度回転する首フリ機能つき。機能をオフにして一方向に送風することも可能です。これは小型ファンの中では特筆すべき機能です(高価なDyson AM06は除く)。首フリ機能にはそれほど空気を循環させる効果はないと思いますが、それでも数秒に1回、そよ風が当たるのは気持ちのいいものです。
Lil’ Blizzardに関する苦情のほとんどが、ビルド品質がらみ。薄っぺらいプラスチックだという意見も多く、確かに見た目が華やかなファンではありませんが、そもそもファンに外見のファンシーさは必要ないかもしれません。Lil’ Blizzardのフレームはプラスチック製で、隙間から指を入れて羽根に触ろうとしましたが、メッシュ部分がゆがんだりズレたりはしませんでした。同価格帯の製品はいずれもこのテストで失敗しています(そもそも羽根のないDyson AM06は除く)。
もう1つ欠点を挙げるなら、Lil’ Blizzardはこのカテゴリの中で最も音が気になったということです。Highで回していると(HighとLowしかありませんが)、約1.5m離れた位置で測っても70dBを記録。うねり音もかなりあったので、寝ているときには邪魔になるかもしれません。ただ、Lowにしておけば騒音度は低く、ホワイトノイズ的な音なので「近くに置くと眠れない」、ということはあまりないはずです。
とにかく機能を重視する方へ、最高ランクのDyson Air Multiplier AM06
Dyson Air Multiplier AM06は今回テストした中で最も静かなファン。近未来的な羽根レスのデザインでお掃除はラクラク。どんな部屋もエレガントに演出します。そのぶん、価格はかなり高め。多機能ではありますが、コスパがいいとは言えません。
風量が特段多いわけではないのですが、実際に運転させてみるとしっかり空気が循環し、ファンの前だけでなく部屋全体が爽やかになります。Vornado 630よりもわずかに空気循環量も多く、ただ風量を測っただけではファンの性能はわからないという好例です。Dyson AM06より優れたパフォーマンスを見せたのは大型のVornado 660だけでしたが、Dysonと比べてかなりノイズが気になりました。
10段階の風量調節機能付きなので、1m先でも部屋の反対側でも、しっかり効果を発揮する汎用性を持ち合わせています(これに匹敵するオプションを持つのはDyson AM07、Vornado 6303DC、Vornado 610DCくらい)。オフィスでの作業中なら下から3つ目の風量で快適に過ごせますし、夜間のリビングで部屋全体の空気を循環させたいなら最強に設定しておくといいでしょう。
AM06は今回テストした中で最も音が静かで、風量が最強でも49.7dBでした。最弱なら41.4dB。周囲の音に紛れてほとんど聞こえないレベルです。抑揚のある音が気になるファンが多い中、Dysonではそうした問題はありませんでした。実際、Dysonのエンジニアであるロブ・グリーン氏はインタビューで「ファンが生成する周波数とトーンが、ユーザーにとって心地よいものであることが重要」と語り、Dyson製品の回転速度や設定が抜群のバランスでホワイトノイズを生んでいると自信を見せました。
他のDyson製ファンやヒーター同様、AM06にも赤外線式のリモコンが付属しており、電源はもちろん首フリ機能のオンオフ、風量調節、スリープタイマーなどの操作ができます。リモコンはコンパクトでシンプルで使い勝手も良く、ファンのフレームにマグネットで留めることができます。リモコンは失くしやすいので、これはありがたいです。
Dysonのスリープタイマーは風量調節と同様、用途に合わせて細かく設定できるのが魅力で、15分から9時間の間で自動スイッチオフを指定できます。羽根レスなので、お手入れも簡単。ホコリをはたいたり、濡れ雑巾などでサッと拭いたりすればOKです。
AM06はブラック、メタル系、ブルー、ホワイトシルバーなどカラバリも豊富。どれもおしゃれでどんなお部屋にもマッチします。
これだけ魅力的なAM06ですが、いかんせん値段が高い。Vornado 630のコスパ感と比べると、なかなか手を出しにくい気もします。ただ、まるで別世界に続く入り口のような外観はこの製品ならでは。気に入った方には唯一無二の逸品になりそうです。あえて人目に付く場所に置き、誰か来るたびに「これ知ってる…?」なんて自慢したくなっちゃいます。
タワー型ファンがおすすめランキングから外れた理由
前回の商品ガイドまではタワー型ファンのSeville Classics UltraSlimline 40″ Tower Fanをおすすめ第1位に挙げていました。しかしその後、読者からの感想やAmazonレビュー、そしてWirecutterのジャキー・チェン(Jacqui Cheng)元編集長の意見を総合したところ、同製品には1年保証期間中の故障が多いことがわかり、これはおすすめできないな、ということになりました。
低評価のレビュー内容を見てみると、故障内容は大きく2つに分けられ、1つは首フリ時にカチカチ音が鳴ること、もう1つはモーターが「完全に死んだ」というものだとわかりました。中には、Sevilleのファンを2機購入したけれど、1カ月以内に両方壊れてしまったという人も。そのときは1年保証期間内だったにもかかわらず、送料は自己負担だったそうです。 もちろん、問題なく使用している人もいますし、新モデルを検証してみたところ特にトラブルはありませんでした。
根本的にタワー型ファンと円形のサーキュレーターの品質性能を比較した時に、タワー型はフレームや羽根を外さないと掃除ができませんし、パワーもサーキュレーターのほうが強めですし、総合的にサーキュレーターに軍配が上がるという結論になりました。
サーキュレーターと違い、タワー型は首フリ機能付きが大半ですが、首を振っても結局は時々風が吹くというだけで部屋全体の空気を循環させて効果的に涼しくしてくれるわけではありません。ものすごく暑い日に風が顔に当たるのは気持ちいいものですが、そうでないときは逆に風の動きで気が散ってしまいがちなのも事実。
タワー型ファンのおすすめ製品をあらためて検証しようと、2018年版の商品ガイドでは当時Amazonで一番評判の良かったHoneywell HYF290BとVornado NGT335、そしてSevilleの製品を比較テストしています。
まず、Honeywellは少々期待外れでした。風量は8段階だったのですが、それぞれ「スリープ」「パワークール」「リラックス」「リフレッシュ」という名前がついていて、逆にわかりにくいという印象に。強風設定(VornadoやSevilleよりは風は弱め)だとがたつきも気になりました。
次にVornadoとSevilleを比較したところ、性能自体はどちらも悪くありませんでした。Vornadoのタワーファンは風量が6段階(Sevilleより2つ多い)で、強弱の幅も広かったです。その分Sevilleはリモコンが使いやすく、首フリ機能もあったのですが、ファンにとってより重要なのは風量。また、Vornadoのエンジニアは「空気循環を優先し、あえて首フリ機能を外している」と話しており、家電としての寿命もVornadoのほうが長いことから、Sevilleはおすすめ製品から外すことにしました。スペースの都合などでどうしてもタワーファンが欲しい、という方はVornadoの製品を検討してみてください。
他にもこんなにある、ファン&サーキュレーター
基本的にタワー型はおすすめしていないのですが、Bluetooth対応のLasko Wind Curve Tower Fanには注目していました。スマートホーム機能がタワー型のデメリットをカバーするかもしれない、と。しかし、結局はリモコン機能がアプリに移っただけで、スケジュール登録できるわけでも音声アシスタントで操作できるわけでもなく、外出時には自動でオフになるような位置情報機能が使えるわけでもありませんでした。ファンとしての機能は悪くないしウッド調の外観もおしゃれで音も静かでしたが、やはり手入れが面倒なのが難点なのと風がこちらに向いた時だけ気持ちいい、というタワー型共通の課題は残りました。
以前のおすすめガイドではVornado 660 Large Air Circulator(日本仕様)もランクインしていたのですが、630と比べると「やや強力すぎる」という意見が多く、余分なパワーのために予算をかける必要はない、ということで今回は630のほうがコスパ的にも上という評価になりました。とはいえ、広いスペースや部屋にしっかりと風を送りたいなら、660は使いやすくて堅牢なビルド品質を誇る最高のパワフルファンです。
Vornado 560 Medium Air Circulatorは価格もサイズも660と630の中間でとても良い製品なのですが、より安価な630を上回るほどのポイントが見いだせませんでした。空気循環量も630より若干多いくらいで、音も気になりました。微風で音も静かな設定があるという点を重視した結果、やはりこちらも630に軍配が上がりました。パワー重視なら、560も良い選択肢だと思います。
Vornado 6303DC Energy Smart Medium Air Circulator(日本向け製品は6303DC-JP)は基本的に610DCの拡張バージョンで、エネルギー効率の良いDCモーターと無段階風量調節機能を搭載しています。風量調節ダイヤルは610DCのほうが使いやすいですが、6303DCにはタイマーやリモコンがついています。確かに便利ですが、その分価格は高くなっています。 今回テストした中で2番目にパワフルだったのが、Vornado 733 Large Air Circulatorです。ただ、首フリしないうえビルド品質も660より劣っている印象。プラスチックが曲がりやすく、羽根ガードの隙間に人差し指を入れると第二関節まですっぽり入ってしまいました。他のおすすめ製品より高価なのも気になります。
Seville Classics UltraSlimline Tower Fan with Tilt FeatureはSeville Classics UltraSlimlineのアップグレード版という位置づけ。風量はわずかに劣りますが、空気循環量はほとんど同じでした。これまでになく静かで、首を傾けて斜め上向きに風を送ることができます。それでも旧モデルより30ドル(約3,300円)も値上げされている根拠は見つかりませんでした。タワー型ファンが欲しい方には同価格帯のVornado NGT335をおすすめします。
Lasko #2554 42-Inch Wind Curve Fan(リモコン付き)はVornado 630と同価格帯ですが、空気循環機能は劣っています。また、プラスチック製のボディはチープ感があり、実際輸送中に一部が破損してしまいました。リモコンの感度もイマイチで、障害物のない場所でボタンを押しても届かないことがありました。
Lasko Oscillating High Velocity Fan(リモコン付き、Model 4930)は騒々しくグラつきもあり、見栄えもあまり良くありませんが、2017年の時点では最もパワフルなファンとして挙げられていました。ただ、この見た目で必要以上のパワーを備えていても、魅力的と感じる人は多くないかもしれません。
タワー型ファンのDyson AM07 Tower Fanは、パワーの面でSevilleやVornadoに劣っていますし、カーペットの上でもかたいフローリング上でもグラつきました。部屋全体の空気循環には、より小型で価格控えめのAM06 でも十分でしょう。
RowentaやLaskoのいわゆる「扇風機」も調べてみましたが、かさばる点や価格の面であまりおすすめポイントは見当たりませんでした。タワー型のHoneywell Comfort Controlラインナップにも目を通してみましたが、リモコンもついていないことから、現時点では却下しました。ユーザからは「グラつきやすい」というレビューもあり、実際にWirecutter編集部でも同じ感想を抱いているスタッフがいたため、その点も考慮しました。
Honeywell TurboForce Air Circulator Fan (HT-900)はAmazonで最も人気のあるファンの1つで、Holmes Lil’ Blizzardよりもパワーがあります。その分スペースを占有し、首フリ機能もなく風量調節ダイヤルなども使いにくい物でした。羽根カバーもすぐに曲がってしまったため安全面でも減点しました。
見た目のインパクトがあるVornado Zippi Personal Fanはよくできた製品で、音も51dBとテストした製品の中でも最も静かなファンのうちの1つでした。ただ首フリはしませんし、ファブリック製のファンでは風量も弱く、60cmほどまで近づかなければ風をしっかり感じることはできませんでした。
Cascade 40-inch Tower Fanはコストコで、30ドルで売っていました(Amazonでは40ドル(約4,400円)ほど)。このモデルはまだテストしていませんが、ネガティブなレビューで信頼性がイマイチなのも伝わっていますし、何より先述のとおり今はタワー型ファンをおすすめしていないので、今回は見送りかなと思います。Vornadoですと多少初期費用はかかりますが、優れたパフォーマンスで長期的に価値ある買い物だと思います。
表示価格は執筆現在のものです。変更の可能性がありますので、販売ページをご確認ください。
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2021-06-17 13:00:00Z
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