Minggu, 07 Juni 2020

デジカメ用に開発されるも短命に終わった小型光磁気ディスク「iD PHOTO」:スイートメモリーズ File017 - Engadget日本版

removable media

[名称] iD PHOTO
[種類] 光磁気ディスク
[記録方法] レーザーパルス磁界変調方式
[サイズ] 約50.8mm
[容量] 730MB
[登場年] 2001年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

「iD PHOTO」は、オリンパス光学工業、三洋電機、日立マクセルによって開発された光磁気ディスク。MOよりも小さな約50.8mmという小さなディスクながら、CDを超える730MBという大容量を実現しているのが特長です。

光磁気ディスクということからもわかる通り、常温では磁化されにくく、高温で磁化されやすい記録素材を使ったもので、記録にはレーザー光と磁気、再生にはレーザー光を使用します。

キモとなるのが、記録に「レーザーパルス磁界変調方式」を採用している事。過去の連載記事を読んでいるモノ好きな方なら「レーザーパルス磁界変調」という言葉をどこかで見た覚えがあるかと思いますが、そうです、ソニーの光磁気ディスク「HS」で採用されていた「レーザーストローブ磁界変調」と若干用語が違うだけで、似た原理を用いているものです。簡単におさらいすれば、データを一部重ねてずらしながら記録することで、レーザーのスポットサイズよりも微細な記録部が作れるというものです。

しかし、いくら記録部を小さくできても、それが読み出せなければ意味がありません。そこで採用された再生方式が、「CAD(Center Aperture Detection)型磁気超解像方式」。これは、記録層の手前にある再生層をレーザーで熱して開口部を作り、記録層のデータを転写して再生するという方式です。この方式であれば、レーザーのスポットサイズよりも小さい開口部が作れるため、より小さな範囲を正確に再生できるわけです。

なんだか難しい話が続いてしまいましたが、「GIGAMO(1.3GB MO)と似たような技術なんだな」と思ってもらえればOKです。

さて、このiD PHOTOのカートリッジを見ていきましょう。ディスク本体がすっぽり覆われているうえ、アクセス部はシャッターによって保護されるという、ホコリやゴミに強いものとなっています。

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カートリッジの構造はMDに似ており、挿入方向に対して右側にシャッターを備えるという構成です。また、このシャッターにロック機構があるという点もMDと同じですので、かなり参考にしたのではないでしょうか。ただし、シャッターにはバネが入っており、ロックを外して無理にスライドさせても、指を離せば勝手に閉まります。この点は、バネのないMDではなく、MOの特長を受け継いでいます。

左下の赤い部分は、ライトプロテクト用のスライドスイッチ。その上の四角いスペースは、ラベルシール用です。ちなみに、手前の側面に貼る細いラベルシールも付属していました。いやー、ほんと、MDに似てますね。

サイズは横幅が58.5mmほどしかなく、MDの72mm、3.5インチMOの90mmと比べてもだいぶ小さい印象です。近い容量となる3.5インチMOとサイズを比べてみると、その小ささがよくわかります。

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シャッターを開けてディスクの表面を見てみると、線速度をほぼ一定に保てるZCLV方式を採用していることもあり、外周に行くほどデータ記録エリアが増えています。写真ではうまく撮影できなかったのですが、この表面をさらに拡大してみると、データ記録エリアが無数の細かな線でさらに区切られているのが確認できました。

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iD PHOTOでは、データの読み書きに使うクロックパルスの生成信号をディスク上に持っているそうなので、この細かな線がそれにあたりそうですね。HSのサンプルサーボ方式に近そうです。

登場当時はまだフラッシュメモリーが高価でしたから、メディアの容量単価で考えるとiD PHOTOが優勢(1枚3500円程度)。また、MOで培ってきた光磁気ディスクの信頼性の高さもあり、撮影後バックアップを取ることなく、そのまま保存できるというのもメリットとなっていました。

ただし、カメラ側に大きく高価なドライブが必要となる事、そして消費電力が高くなってしまうというのがデメリットです。そのためか、iD PHOTOを採用した製品は、2001年2月に発売されたデジカメ「iDshot(IDC-1000Z)」と、同年10月発売のストレージデバイス「iDstorage(IDS-M1)」(どちらも三洋電機)の2つしかありません。

当時のデジカメで撮影した写真は、ほぼすべてがPCへと転送され、活用されます。そのため、730MBの大容量はあまり必要なく、小容量でも使いやすいフラッシュメモリーの方が好まれました。また、フラッシュメモリーが年々低価格化し、大容量化が進んでいったこともあり、iD PHOTOは普及することなく消えていきました。

参考:
iD PHOTO, idshot.com, WayBack Machine
世界最小 50mm光磁気ディスクシステム デジタルカメラ用大容量次世代メディアを共同開発, オリンパス
iD PHOTO フォーマット, 日本応用磁気学会誌 Vol.25, 国立国会図書館デジタルコレクション

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2020-06-07 22:03:25Z
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