Samsung Electronicsは、折りたたみ(フォルダブル)スマートフォン「Galaxy Z Fold2」をグローバル発表しました。横折りの端末で折りたためばスマートフォン、開けばタブレットとして利用できる「Galaxy Fold」の後継機種となります。製品自体は8月5日のイベント「Galaxy UNPACKED 2020」で発表済みですが、今回は「Galaxy Z Fold2:Unpacked Part 2」として、Galaxy Z Fold2の詳細が公開されました。
米国では9月1日から予約開始、9月18日から発売を予定しています。ほかに韓国など約40の市場で順次発売。価格は米国では1,999ドル。発表時点で日本市場への投入は明らかになっていません。
Galaxy Z Fold2は、メインスクリーンを内側に折り込むタイプの折りたたみスマートフォン。背面にはスマートフォン風のディスプレイ(カバースクリーン)とトリプルカメラが配置されています。
新モデルの外観で最大の特徴となるのは、ディスプレイの大型化。カバースクリーンは縦長ディスプレイの採用によって本体の長さ全体をカバーするようになり、よりスマートフォンライクに使えるようになりました。ディスプレイサイズは4.6インチから6.2インチへと大幅に大型化しています。
開いてタブレットモードにしたときのディスプレイも、ベゼル幅を27%削減し、インカメラをパンチホール型にしたことで、7.3インチから7.6インチへと大型化しました。ディスプレイのリフレッシュレートは、アプリによって可変するアダプティブリフレッシュレートを採用しています(11~120Hz)。動きの少ないテキストデータは11Hzでバッテリー消費を抑え、映像だったら24~120Hz、ゲームだったら48~120Hz、といった具合です。
タブレット時の大画面を利用した複数アプリの同時起動は従来通り。最大3つのアプリを同時に起動できます。同時起動したアプリ間では、ドラッグ&ドロップによるテキストや画像のコピーにも対応。また、「Split Screen Capture」機能は、最大で3つのアプリを同時起動した状態でスクリーンキャプチャすると、全体のキャプチャだけでなく3つのアプリそれぞれを単独のキャプチャ画面として自動で切り出してくれる機能です。
画面のレイアウトとズーム機能も搭載。解像度を変更することで、アプリのデフォルトUIがスマートフォン用・タブレット用で切り替わるという機能です。Samsung製のプリインストールアプリや、GmailなどのGoogleアプリ、OutlookなどのMicrosoftアプリなどがこうした動作に対応します。
デフォルトは420dpiで、これらのアプリはタブレット用のUIになりますが、これを480dpiに切り替えるとスマートフォンUIになります。540dpiまで解像度を変更することが可能です。
ヒンジの構造も進化
折りたたみで重要なヒンジ部は刷新され、60以上の部材を組み合わせてさらに高精度な仕組みになったそうです。合計8つのカムによって「75度~115度」の範囲で画面の角度を固定できるようになりました。ヒンジ内部には、掃除機のヘッドを参考にしたというスウィーパー技術を導入。細かな繊維がホコリの侵入を防ぎます。
スマートフォンモードで見ていたアプリは、そのまま開いてタブレットモードにすると自動的にタブレット側に切り替わるApp Continuity機能や、途中まで折り曲げた状態でノートPCのように自立させるフレックスモードも搭載。フレックスモードでは、YouTubeなどの対応アプリであれば上半分で動画、下半分にほかの動画レコメンドやコントローラーを表示する……といった特別なUIで表示されます。
カメラの場合は「Capture View Mode」になり、上半分はビューファインダー、下半分はシャッターボタンなどの操作パネルです。その隣には、直前に撮影された画像のプレビューが大きく表示されます。
カメラのこのモードは本体を開いた状態でも動作します。右側にビューファインダーと操作パネルを表示して、左側に大きく直前のプレビューを表示するので、前回の写真を簡単にチェックして比較しながら撮影する……といったことが可能です。
カメラの仕様は?
そのカメラですが、メインカメラは有効画素数が1,200万画素センサーでスーパースピードデュアルピクセルAFに対応。ピクセルサイズは1.8μm、レンズのF値はF1.8、画角は83度で焦点距離は24mm(以下、35mm判換算時)、光学式手ブレ補正も内蔵します。
超広角カメラは1,200万画素、ピクセルサイズは1.12μm、F値はF2.2、画角は123度、焦点距離は13mm。
望遠カメラは位相差AFセンサーを搭載した1,200万画素センサー、ピクセルサイズは1.0μm、F値はF2.4、画角は45度、焦点距離は52mmです。光学式手ブレ補正をも搭載します。
ズームレンジは超広角が0.5倍、望遠が2倍で、10倍までのデジタルズームにも対応します。
前モデルと比べると、メインカメラはより広角に、デュアルアパチャーの物理絞りはなくなり、ピクセルサイズが大型化。超広角カメラは画素数が減ったもののピクセルサイズが大型化。望遠カメラはスペック上は同等のようです。
折りたたんだときのインカメラ(カバーカメラ)は1,000万画素センサーでピクセルサイズは1.22μm、F値はF2.2 、画角は80度となっています。タブレットモードでのインカメラのスペックも同等です。前モデルと比べて、タブレット時のインカメラはパンチホール型になったため、深度カメラはなくなりました。
デュアルプレビュー機能は、本体を開いた状態でカメラを被写体に向け、撮影者がメインスクリーンをビューファインダーとして使いつつ、被写体側のカバースクリーンで同時にカメラの映像を表示する機能です。被写体側が、撮られる自分を確認しながら撮影できます。
デュアルプレビュー機能はセルフィー撮影でも威力を発揮。メインカメラを自分に向けつつ、カバースクリーンをビューファインダーとして使えるため、高画質なメインカメラで確認しながらセルフィー撮影できるわけです。
動画ではオートフレーミングを搭載し、最大2人まで人物の顔と体を検出します。機械学習を活用して、人の動きに応じてカメラが自動的にデジタルズームで人物を拡大したり、ズーミングを利用して疑似的にパンをしてくれたり、人物を中心とした動画を撮影したりできます。ちなみに3人目の人物を検出すると、広角端に固定されるようです。
カメラはセンサーサイズが1.65倍になるなどした結果、夜景に強くなり、ナイトモードの画質が向上しました。フレックスモードで本体を固定して撮影できるため、より高画質な夜景撮影が可能としています。最近のGalaxyシリーズに搭載されているシングルテイク機能も備えています。
Galaxy Note20シリーズとカラーリングやテクスチャーを合わせており、カラーはMystic BronzeとMystic Blackの2色。さらに一部の国では、オンラインでヒンジ部のカラーをカスタマイズできるようになっており、Metallic Gold、Metallic Blue、Metallic Red、Metallic Silverの4色が用意されています。
なお今回も、アパレルメーカーのトム ブラウンとコラボレーションした「Galaxy Z Fold2 Thom Browne Edition」が用意されます。
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2020-09-01 14:00:05Z
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