帰還予定は2020年です。
世界で初めて小惑星の表面物質を持ち帰ることに成功し、日本中を熱狂させた「はやぶさ」。現在は、別種の小惑星探査に向け「はやぶさ2」がミッションの真っ最中です。
IBMのWebメディアMugendai(無限大)にて、そのはやぶさ2の技術者がインタビューに答えていました。少し前の記事ですが、当初の計画やその裏側を知るためにも今一度振り返ってみましょう。
東京からブラジルの蚊を落とすくらい。「はやぶさ」はいかにすごかったか
ロングインタビューに登場していたのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、および東京大学大学院の教授を務める久保田孝さんです。
改めて語られたのが、はやぶさ初号機の偉業がどれほどだったのかという点。60億kmという途方もない距離を往復し無事に帰ってくることの難しさを、久保田さんは「東京からブラジル上空の蚊を射止めるくらい」だと表現します。
この技術力には世界中から賞賛が相次ぎましたが、久保田さんいわく、実際「狙った地点にピンポイントで確実に降り立つ技術」は、NASAよりJAXAの方が有利に立っているほどだといいます。
必要なのは、ズバリ「遠い」から。宇宙人工知能って何だ
そんな久保田さんが現在取り組んでいるのが、地球からの指令に頼らず自ら考えて行動する「宇宙人工知能」と呼ばれる技術。何だかエイリアンでも出てきそうな雰囲気ですが、宇宙空間における人工知能の重要性は「距離」が深く関係しており、久保田さんは以下のように語っています。
地球に届く画像データは月なら10秒前、火星なら20分前のものなのです。それを見てからいちいちコマンド(指令)を出していたのでは遅くなって間に合いません。ですから探査機や探査ロボットが効率よく動くには、自律して考え行動する宇宙人工知能を持たせることが絶対必要になるのです。
そんな重要な宇宙人工知能ですが、使用されるコンピューターのCPUはわずか200MHzなんだそう。今時、市販のスマホでもGHz単位が当たり前ですから、スペック的にはかなり限定されますよね。
しかし普通のコンピューターでは宇宙空間の放射線に耐えられず、空気の流れがないためコンピューターの熱が逃げないなど、宇宙で使えるコンピューターにはさまざまな制約があるのだそうです。
一方アメリカの場合、ロケットも探査機も大きいため、それほど細かいことを追求しないのだとか。久保田さんいわく、日本チームはその分「匠の精神で知恵を絞って工夫を凝らす」とのことで、制約があるからこそ必死で知恵を絞る側面もあるといいます。
現在は小惑星「リュウグウ」にて活動中のはやぶさ2。久保田さんははやぶさでの経験を回顧しつつ、今後の研究に関して以下のように思いを語っています。
「はやぶさ」は多くのトラブルに見舞われましたが、運用室の様子をWEBカメラで実況中継しました。すべてをオープンにすることで国民の理解や支持が得られたと思います。映画にもなり、国民の宇宙への関心を高めてくれました。
これからの宇宙計画は、今以上にみんながワクワクするような国民参加型ミッションにして、税金が有効に使われていることを知ってもらうことが大切だと思っています。
はやぶさ2の帰還、その後の宇宙開発ではどんなワクワクが待っているのか、本当に楽しみですね。はやぶさ2のプロジェクト詳細、宇宙人工知能についての詳細はMugendai(無限大)より続きをお楽しみください。
Source: Mugendai(無限大)
https://www.gizmodo.jp/2019/04/mugendai-hayabusa.html
2019-04-24 08:25:00Z
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