NASAの火星探査ローバーMars 2020 Rover改めPerseveranceが、日本時間7月30日20時50分にフロリダにあるケープ・カナベラル空軍基地より打ち上げられます。
Perseveranceの任務は火星の地層から生命の存在に関する痕跡や何らかの証拠を探すこと、将来地球に持ち帰る地表サンプルを準備することなど。お腹の部分に搭載する小型ヘリコプターの飛行試験といったユニークな実験項目もあります。
火星への到着は、完璧に予定どおりならば2021年2月18日になります。着陸地点は”ジェゼロ”と呼ばれる直径45kmのクレーターの端っこあたり。そこはかつて火星に水が豊富にあった頃に湖だったと推測されていて、着陸地点はかつて湖に流れ込む土砂が堆積し形成されたとみられるデルタ地形になっています。
このような場所は生命に必要な栄養分も豊富にあったと考えられ、微生物などの痕跡(バイオシグネチャー)の発見が期待できます。
Persaveranceにはバイオシグネチャー発見のために開発された”7つ道具”が搭載されています。
まず最初の「PIXL」はローバー前方に伸びるアーム先端に装備されたX線分光計で、地表面のサンプルの組成を分析します。
「RIMFAX」はノルウェー国防研究所が開発した、地下の氷と塩水を探すための地中レーダー。
「MEDA」はスペイン宇宙生物学センターの提供による、温度、風向風速、気圧、湿度、放射線、ダスト粒子形状分析機能を持つ環境ダイナミクス分析器。
「MOXIE」はCO2が95%という火星の大気から純酸素を作り出すための実験機器。この実験で酸素が効率よく生成できれば、100倍の性能を持つ機器を火星に送り込み、将来のサンプルリターン用、さらには有人火星探査における復路用ロケットの燃料酸化剤の現地生産が可能になります。
「SUPERCAM」は火星ローバーの先輩Curiosityが搭載するChemCamのアップグレード版で、離れた位置にある地表の岩石や砂をイメージで捉え、その化学組成や鉱物学分析を行い、生物の痕跡がありそうかどうかを判別します。
「MASTCAM-Z」マジンガーZ的な格好良い名前のこのカメラは、SUPERCAMのすぐ下にあり、左右2点から立体画像を撮影します。ただ立体イメージングを提供するだけでなく、ローバー周囲の地形分析や移動時のナビゲーションなどにも利用されます。
「SHERLOC」は、火星の表面や土壌内の有機物および生命に関連する鉱物を検出してバイオシグネチャーやエネルギー源としての利用可能性などを分析する機器です。
そのほかローバーが搭載する19個のカメラ、複数のマイクが、人間の視覚と聴覚に近い情報を我々に送り届けてくれることになっています。
またPersaveranceにはMars Helicopter改めIngenuityも搭載されます。IngenuityはPersaveranceによって火星の地上に配置されたのち、30日間で最大5回の飛行を行い、最大で300mの距離を飛行する可能性があります。
ちなみにIngenuityはクアルコムのSnapdragonプロセッサーを搭載しており、センサーからの入力に応じてLinuxシステムが飛行動作を制御します。Persaveranceとの間の通信方式は低消費電力なZigbeeを使用します。
Ingenuityの実験飛行は火星の大気と重力下での飛行性能を確かめるためのものですが、将来的な、火星を空中移動するミッションの実現に貢献する可能性があります。
火星でのバイオシグネチャー発見だけでなく、将来的な有人火星探査、そして火星からのサンプルリターンに関し重要な役割を果たすことが期待されるMars2020ミッションの打上げは日本時間7月30日午後8時50分頃の予定。
NASAはYouTubeで日本時間20時よりライブ配信を行います。
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2020-07-30 11:45:05Z
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