12月に小惑星リュウグウの試料入りカプセルを地球に届ける小惑星探査機「はやぶさ2」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の津田雄一・プロジェクトマネジャーは22日に記者会見を開き、新たに小型小惑星へ向かう途中、金星や別の小惑星の観測を計画していることを明らかにした。津田氏は「探査機がさらに10年生き残る保証は無く、挑戦的な運用になる」と語った。
はやぶさ2は12月6日、小惑星リュウグウで採取した試料入りのカプセルを地球に投下した後、主エンジンのイオンエンジンを使ってさらに航行を続け、約10年かけて新たに小型小惑星へ向かう。その途中、地球に再接近し、地球の重力で探査機の飛行する軌道やスピードを変える「スイングバイ」を実施する。イオンエンジンの燃料は、12月6日時点で55%も残っている見通しだ。
新たに探査する小型小惑星は、平均直径30~40メートルの「2001AV43」と「1998KY26」の二つのいずれかで、JAXAは9月に行きやすい方を目的地に決める。前者の場合は金星付近を、後者の場合はさらに別の小惑星付近を通過する予定で、それぞれをカメラなどで観測することを検討している。
12月からの新たな探査は、探査機が果たすべき本来の任務を超えたものになるため、JAXAは「拡張ミッション」と位置づけている。津田氏は「探査機をゼロから作るより、はるかに効率良く新たな科学的成果が得られる。長期の運用で技術も磨ける」と述べ、メリットを強調した。
新たな目的地を絞り込む中で火星や金星、大型の小惑星なども検討した。軌道を計算すると、いずれも困難だと分かり、小型小惑星が選択肢に残った。50メートルより小さな小惑星の探査は世界的にもほとんど例がなく、津田氏は「最初は大きな天体が良かったが、逆に魅力に気づかされた」、吉川真・ミッションマネジャーは「小さいからこそおもしろい」と話した。
二つの小型小惑星は自転周期が10分程度と高速で回転していて、どのように形成されているのか明らかにできれば、リュウグウとの比較などが可能になる。100~200年に1回程度、地球に衝突する天体と同じ大きさなので、素性を調べることで天体の地球衝突による災害を防ぐ技術の研究にも役立つと期待される。【池田知広】
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2020-07-22 13:21:29Z
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